「スキ資本説」でひらく、生涯現役ニッポン!

人生100年時代が当たり前になり、いまや「120年生きるのも普通かも?」と感じている方
も増えてきたように思います。そんな中で、「生涯現役でいたい」という想いを持つシニア
層が、着実に増えていると感じませんか?
いわゆる「ピンピンコロリ」――つまり、元気なまま人生をまっとうしたい。
そういう願いを持つ方々が、心身の健康に気を配りながら、社会とのつながりも大切にする
ようになっています。
そんな時代に、私はあらためて「スキ資本説」を提唱したいと思っています。
年齢に関係なく、誰もが持っている資本――それが「スキ(好き)」です。
何かを「好き」と感じる気持ち。
それを起点に、暮らし、働き、関わることで、人はイキイキと生きる力を取り戻します。
実際、「スキ」なことをやっていると、ワクワクもドキドキもついてきます。
幸福感も自然と高まり、結果的に周囲とも良い関係が生まれてくるのです。
しかも「スキ」を通じた仕事や活動は、年金にプラスアルファの収入になるだけでなく、
自分らしさを社会に還元することにもつながります。
たとえば、ちょっと試算してみました。
現在、日本には70歳から100歳の方が約2,400万人おられます。
そのうちの60%が、週休3日制で「スキ」に根ざした仕事をするとしたら、
フルタイム換算でなんと約1,150万人分の労働力が生まれるんです。
これって、少子化でどんどん減っている働き手を、質的にも量的にも大きく補う規模なんで
すね。
つまり、「年を重ねた人が無理せず“好き”なことで働く」ことが、これからの日本の大き
な支えになるということ。
しかも、これは決して“我慢”や“努力”ではなく、むしろ「スキ」から始まる楽しい循環。
だからこそ、「ゴールド世代」「プラチナ世代」「ダイヤモンド世代」といった新しい高齢層
――私は“ネオ・ジェネレーション”と呼んでいます――が、それぞれの「スキ」を活かし
て社会に関わる仕組みが必要だと感じます。
そして、週休3日制の導入や、柔軟な働き方の整備が進めば、「若い人」も「ネオ・ジェネ
レーション」も、共に力を発揮できる。結果として、GDPの拡大、所得の向上、そして何
より“生きがいある社会”が築かれていくのです。
今こそ、「スキ」を軸にした新しい資本主義、「スキ資本説」に光をあてていく時ではないで
しょうか。
私はこの考えを、官邸にも提言として届けました。
これからも、皆さんと一緒に、「スキ」でつながる未来を描いていきたいと想っています。